ごあいさつ

太地園の物語(わたしたちの歴史と想い)

ちょっと長いのですが、ぜひ読んでください。大地園の歴史と、お茶栽培への私たちの思い、そして取り組みをまとめました。

株式会社太地園 代表取締役 森本茂

 

土地を失い高知県から川南町に入植(昭和8年)

宮崎県・中央の北部寄りに、東に日向灘を望み、西に尾鈴山脈、この山ろくから海岸線まで、なだらかな丘陵地帯を形成している川南町。「日本の合衆国」(日本の三大開拓地の一つです。戦前・戦後を通じて全国から開拓者が集まってきた)として知られるこの地に、私の父、祖父母、父の弟(叔父)の4人は昭和 8年、高知県の山奥・物部(ものべ)村から入植してきました。(当時父18才)

 

物部村に立つ祖父の石碑の写真
物部村に立つ祖父の石碑の写真

昭和の始め、当時村に水道がひかれていない時代、私の祖父 (幸茂)は、5人の仲間と、資財を投げ出して物部村の隅々まで水道を引き、村民に潤いを与えたと聞かされていました。その莫大な事業に家も土地も失い、家族を連れて(ポン菓子売りをしながら)、この川南にたどり着いたそうです。当時の痩せた農地を開墾するには、飢えをしのぐための食料供給に全神経を注いだ とのことです。

 

当時、桑や甘藷(かんしょ)などが主な作物でしたが、戦前から少しずつ植栽していった茶園も2haまでとなりました。昭 和45年までは2haの面積を、父と叔父の二家族で共同経営していましたが、私たち(後継者同士)の結婚を機に(昭和46年)、発展分散(個人経営)の道を歩く話し合いがもたれました。

 

 

有機農法への取り組みが始まる(昭和60年代)
森本
22歳のころの森本茂・治代

その後、1haの茶園を基に、両親が築いてくれた大きな信用を支えに規模拡大をはかってきました。それからの二十数年は、土地取得(現在7ha)、新植、改植、製茶機導入、茶工場新築と大きな投資の連続でした。その傍らでは、無農薬無化学肥料(有機)での栽培を何とか自立の方向に位置付けられないか取り組んでいました。試行錯誤の経営の中にも、作物を育てる楽しさや、目標に向かって「成せば成る」の精神で今日までやってこれました。

 

尾鈴の大地で育てた
飲んで安心(真心) 食べて安全(顔の見える)
太陽いっぱい 自然の恵みと共に
茶食の時代がやって来た!!

 

 

「環境保全型農業」とともに自立の道へ(平成元年)
今では、有機農法に取り組み始めて30年以上になりますが、真剣に取り組みようになったのが平成元年(当時経営の10%ずつでも、と)、平成7年には60%の茶園までとなり、平成8年には一挙に全茶園を完全【無農薬無化学肥料】栽培を達成することができましたが、10年足らずは我慢との戦いでもありました。これに満足することなく、さらなる“本物”を求めて努力していかねばと自分に問い掛けています。

 

そして、今の時代だからこそ、差別化商品が流通の変化と共に認められるようになりました。古来からお茶は「薬」とまでいわれてきました。近年、緑茶の効能がますます見直されるようになりました。それでは、どのような効果があるのか・・・。

 

 

「緑茶丸飲み」。生活の中で、自分たちの身体で実験(平成7年)

我が家では平成7年2月から緑茶が丸飲みできる粉末機を導入して、家族で人体実験をしてみることにしました。葉っぱにある有効成分にヒントがあったのです。今まで捨てられていた茶ガラこそ、有効成分が豊富にあったのです。このときを境に、我が家では、夏場の野菜不足の時期の栄養分補給と、健康維持を図るために、「緑茶丸飲み」を続けています。

 

粉末茶として丸飲みするには、「生産現場の顔の見える・安全で・安心な・商品」が原則、このことは我が家の持論でもあります。

 

茶の葉にある有効成分

★ビタミン(A・B・C・E)、カテキン、食物繊維
★ミネラル(カルシウム、亜鉛、リン、鉄、カリウム、マグネシウム)

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壮年期から起こりがちな生活習慣病。健康に不安な方々が緑茶丸飲み(粉末茶)を飲んでいただいています。そんな方々の声を紹介しますと、肩凝り、生理不 順、便秘、静脈瘤(じょうみゃくりゅう)、高血圧、糖尿病、癌、コレステロール、中性脂肪、体脂肪、アトピー、アレルギー、体臭、肥満などの方や、野菜不足の方に特に喜んで飲んでいただいています。

 

 

地元農業高校の協力を得、動物への効果を研究(平成8年より)
人間に効果の高いことから、「それでは動物では?」。私はここに着眼点をおき、畜産に転機の糸口を見つけることにしました。

 

飼料茶
お産のときの出血も少なく牛ふんのニオイもかなり消えたとの声をいただいている飼料茶

畜産県でありながら茶の産地でもある宮崎県。しかも積算日射量が全国1・2位の県(作物にミネラルが豊富)・・・本来ならば、産・官・学が一体となって共同研究するべきですが、独自の発想で取り組むことにしました。

 

当初は、数件の畜産農家に「飼料用無農薬茶」を提供しながら試験してもらっていました。「確かに効果はあるようだ」と返事はあるものの、データはつかめていませんでした。そこで、高鍋農業高校へ足を運んでみることにしました。畜産科担当の東先生、湯地先生と出会うことができました。話すこと数時間、お二人とも柔軟性のある先生で、特に生徒たちと共に畜産に向けての意気込みと情熱を身体いっぱい注がれていることがお話の中からうかがえました。「ぜひ研究させてください」と、心強い返事をいただき、平成8年より「豚に対する茶葉給与の効用」と題して、研究に取り組んでいただくようになりました。

 

当園にも、先生と共に生徒たちが度々足を運んでは学習の場として研究に余念がありませんでした。いまどき珍しい、教育現場で生徒と一体になって輝いておられるお二人の先生に熱いものを感じさせられました。

 

豚の変化に自問自答・試行錯誤を繰り返しながら、緑茶のもつ一つ一つの機能性を人間の身体に例えながら取り組んでいただきました。既に高鍋農業高校のブランド豚(甘茶豚)は、生産者(畜産農家)を介して消費者のもとへ届けられています。

 

また、牛にも茶葉給与の動きが広まっています。宮崎県立都城高校では、茶葉を乳牛に給与して体質改善を行う研究に取り組み、体細胞数減少などの成果を上げています。

 

茶葉を与えると発情が良好で受胎率が向上。体細胞数は給与開始から2~3ヶ月で減少しはじめたということ。お産のときの出血も少ないし牛ふんのニオイもかなり消えたという効果がありました。人間だけでなく、牛にも「緑茶丸飲み」はいいんですね!

 

 

これからの太地園
「緑茶の素晴らしさを国内だけでなく海外へ、日本文化と共に伝えていきたい」。そんな思いでカナダを旅したとき、素敵な出会いがありました。それをきっかけに少しずつ輸出を手掛けるようになり、今ではヨーロッパや各国の方々とも交流を深め、世界に緑茶の良さを伝えています。

 

また、緑茶にある特性を生かした商品開発にも力を注ぎ、異業種の方々と交流を深めて、緑茶のよさをもっと知ってもらい、実用化に向けて努力していきたいと思っています。そのためには、自然を壊さない農業形態でなければいけない。環境を汚さないためにも畑への多肥投入を避け、そして、生活排水を汚さない粉末茶入り石鹸で食器洗いや洗髪(リンス不要)、顔・体を洗い、お茶風呂に入るなど、暮らしの中にお茶を取り入れるようにしています。

 

これからも自然の恵みに感謝しながら、地域を越え、海を越え、“ご縁をつなぐお茶物語”を綴っていけるように精進してまいります。